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リアルなヨガ・ティーチャー育成プロジェクトTrue Arts Yoga 金子真矢のブログ ◆ワークショップ、イベントの詳細はカテゴリからどうぞ◆


by mayayoga

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最もドラマチックで忘れがたい日[出産レポ]

予定日をあっさり1週間過ぎた813日、中の人も大きめとのことだったので、陣痛促進剤による誘発分娩に向けて入院。


14日、早朝から促進剤の点滴を開始。子宮口5cmぐらいまでは全然余裕で、点滴を次第に上げにくる看護師さんも「もしかしたら痛みに強いのかもしれないですねー」なんて言ってくれるので、調子乗ってました。


この時点では陣痛室というところで待機し、1時間とか2時間おきに少し歩いたところにある分娩室に移動して内診という流れ。


「ほほー、これが噂の陣痛室ってやつか。旦那さんが付き添ってふーふー耐えるやつだ、で子宮口全開になったら、無理無理!歩けません!てなりながら分娩室に移動するってやつね」ってこれまた余裕だった。


促進剤の効きが悪いと翌日に持ち越したりするらしいから今日は産まれないのかもなー、なんて悠長に構えていましたら、2回目の内診で先生に


「赤ちゃんの頭が降りて来てないから、強制的に被膜して子宮に機械入れて内圧をかけましょう。それで陣痛が進んで、降りてくればいいんだけどね。今日はちょっと頑張ろうか」


と何だか怖いことを言われ、分娩室がにわかにバタバタし出す。人が増え、されるがままにあれよあれよと言う間に人工破水そのまま分娩台に留まる。「えっ?これって今日このままここで産む感じ?!」


気づけば傍らにはベテラン助産師さんと、実習の学生さんと、更にはその指導教諭さんにガッチリ脇を固められるという展開に。


部屋に戻らないから何の用意もしていないし、よく聞くストローつきペットボトルの水だのタオルだのテニスボールだの、お気に入りのアロマだの、ハイ、何にもナシ!!

ついでに、立会い希望だった夫は一体いつ呼んでくれるんだ?このまま助産師さんに囲まれて耐えるパターンかな。当初の予定と違うぞ、、


「ぜったい痛いと叫ばずに呼吸で産んでやる」

と心に決めていたので(笑)次第に激しい波となって襲ってくる陣痛を呼吸でやり過ごしながら7時間耐えた。3日間苦しんだとか壮絶なお産を経験した人からすると、たかが7時間。されど7時間。


ベテラン助産師さんのいきみ逃しや押し方は絶妙で、「ハイ、波来たね〜」って言いながらグーっとこれまたドンピシャな絶妙さで腰やら何やらを押して下さる。神かと思った。

陣痛の波と胎児心拍はNSTという計測器でモニタリングしているから、「そろそろ来ますよ」というのが分かるらしい。しかし実習の学生さんはそうは行かない。腰さするだけ、押し方も場所も力加減も全然ちがう!しかしヨガ教師のサガで「今のよかったよ!」とか「もうちょい上、もうちょい強く!あー、そうそう」とか、時に彼女の手を取って自らここぞという場所に当てる、とか「イイネ!」サインを出すとかいう余計なことをやってしまう(笑)


余裕のあった途中まではそれができていたものの、次第にそれどころじゃなくなる。ついでにその学生さんの指導教諭のおばさまは足をさすって(撫でて)下さるのですが、次第に「そういうの要らんねん!!」状態に。


子宮口7cmの陣痛23分感覚になると、だんだんなりふり構っていられず、吐くとき「ゔーー!!」と唸らずにはいられなくなり、ベテラン助産師さんには「Tさんどこにも行かないで!!(学生さんに任せて席を離れてしまうので)」、学生さんの触り方には「そこじゃない!!」と手をはねのけ、おばさま教諭には「オバハンはすっこんでろ!」


・・・と言いたくなった。

言わなかったけどね。笑


自分の一大事に、とてもじゃないけど人に気を遣っていられない。だんだん下の方に下がっていく痛みの感覚に、他人に「肛門押して!」とおそらく人生で2度と言わないであろうワードを吐く。笑える。


「いい波来てるねー、上手ねー!」と言われるがしかし・・・

肝心の赤子が降りて来られない。

どうやらやはり、頭が大きくて私の骨盤を通れないらしい。推定3700g、頭の横径10cm


・・・先生も看護師さんとしばらく思案。

「どうしようか、このまま粘るのもね、、頭大きそうだから、早々に帝王切開に切り替えよっか」と提案して下さった。


正直、最後まで頑張って下から産んでみたかった気持ちがないわけではない。でも、赤子の安全が最優先。これで「いや、私は何が何でも自分の力で産みたいんです!」とか言って自然分娩にこだわって粘った挙句、もし産道で引っかかって赤子が苦しい思いをしたり、吸引がうまくいかなかったりして、それにより重大なリスクを負うぐらいなら切って出す方がいい。


そこからがまた人が増え、分娩室が慌ただしくなり、静かに、しかし隙なく迅速に手術に向けて準備が整ってゆくのを、陣痛に耐えながら見惚れるように眺めていました。すごい華麗な連携プレー。コウノドリみたい。「カイザー!オペ場!」みたいな笑


夫が呼ばれ、慌てて駆けつけた顔を見たら不覚にも泣きそうになり、「頑張ったけど無理だった」と言うので精一杯。


自然分娩の途中で緊急帝王切開となったものの、私の場合は当初から想定内だったため余裕があった方で、何か重篤なトラブルがあってのことではなかった。ベテランぽい、ちょっとこわめの看護師さんが傍らに来て「賢明な判断だったと思うよ。無理して引っかかって緊急手術になったり、障害が残ったり、後悔した人を何人も知ってる」と言って下さって、その言葉で最後の小さな棘のような引っかかりが吹っ切れた。


下から産もうが切って出そうが、立派なお産であることに変わりはないし、母子ともに健康で退院できたらそれに勝るものはない。リスクを負ってまで「思い描いた理想のバースプラン」なんていうものにこだわるべきじゃないし、そんな馬鹿げた事ってない。

後に渡された診療計画書を見たら「分娩停止 緊急帝王切開 新生児障害予防」と記載してあり、現代の医療の恩恵にあずかれて本当に良かったと思った。世が世なら母子ともに無事では済まなかったであろうと思う。


気がつけば、執刀は主治医と院長先生、麻酔はもう一人外来でお世話になった女医さんというドリームチーム並みの安心度。加えてベテラン助産師さんや看護師さんがずっと枕元で経過を伝えて下さった。先程の実習の学生さんは帝王切開術に立ち会うのはこれが初めてだそうで、緊張しつつもずっと手を握っていてくれた。


完全に意識がある中でお腹が切られて引っ張られたり、ゴソゴソされる感覚は何とも不思議で、変な感じ。完全にまな板の上の鯉状態。「赤ちゃん出ますよ!」の声のあとしばらくして張り裂けんばかりの元気な産声を聞いた時、そして処置され綺麗になった息子と対面した時の喜びと感動は一生忘れない。


産まれてみたらエコーの推定通り3702gのしっかりした子。身長が53.5cmと長めなためか、あまり巨大には見えないのですが、頭の直径は大きかったらしく、「これは厳しかったかもね」と言われた。予定日過ぎても産まれなかったのは、よく言われる「ママのお腹の中がよっぽど居心地がええんやろなー」とかじゃなく(ホントそういうのさ、信じてないし)、単に降りてこられなかっただけなんじゃないかと思う。


それにしても陣痛のラストスパート、子宮口全開大は私が経験したやつの更にもう何段階も痛いんだろうし、それに何時間も、時に何十時間も耐えて産むなんてすごい。考えられない壮絶さ。


しかし帝王切開の傷の痛みも相当なもんで、完全寝たきり介護状態から翌日には立って歩かされる地獄。これまでの健康な身体の機能が全て奪われたような不自由さと壮絶な痛みに「今までの私の身体返してくれ!」と絶望するのだけど、我が子を見ると痛みや不自由を超えた幸せを感じる。


いや、とにかく世の中の全ての母はすごい

そして、助産師さんや看護師さんとは何と尊いお仕事なのだろう。もちろん産科の先生方も。たくさんの方にお世話になり、感謝と感激しかありません。


私が生んだ8月14日、この日の分娩は私だけ。翌15日は台風と満月で4件も分娩がありました。やっぱり何か関係あるのでしょうか?自然の神秘。

新生児室にズラリと並んんで寝かされた赤ちゃん達は本当にかわいい!

最もドラマチックで忘れがたい日[出産レポ]_b0130734_01101894.jpg
産院のパジャマがメルヘン過ぎて笑える。写ってないけど袖口にリボンだってついてる!笑
これに血栓予防の着圧ソックスも履くのだけど、見た目白のハイソックスだから更にラブリーで、鏡に映る自分の姿に驚愕

by mayayoga | 2019-08-17 01:07 | ◇Family

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